扉のむこう

散歩中に木の扉を見つけた。

犬は木の扉なんてお構いなしだけど、

わたしは木の扉が好きだから、

記念撮影をした。

「あけるな」という絵本を思い出す。

安野光雅さんが描くちょっと不思議なその世界。

あけてしまいたくなる扉に出会うたび、

絵本の中の文が頭によぎる。

「あけるなったら」

「あけるとたいへん」

「あけてはいけない」

犬がグイグイ引っ張っるもんだから、

フランス人形に「おかえり」は言ってもらえない。